男の美学に貫かれた秀作(80点)
© 2006 Media Asia Films(BVI) Ltd. All Rights Reserved.
無駄がないノワール・アクションで、男の美学に貫かれた秀作だ。中国返還が迫るマカオ。裏社会に生きる4人の男たちが1人の男の生死をめぐって対立する物語である。5人は深い絆で結ばれた幼馴染。敵味方に分かれせめぎあうが、事態は思わぬ方向へ。作品の質を上げたのは、ドライに徹した人間描写だ。乱舞のような銃撃戦が特筆で、動作、構図、照明と完璧に美しい。寡黙な男たちの友情と秘めたダンディズムにしびれると同時に、赤ん坊の足に付けた鈴の音色に心が揺さぶられた。トー作品常連の不敵な面構えの俳優たちが適役。クールで硬派な映画好きに勧めたい。
スローで撮影された銃撃戦は空間のあらゆる位置にカメラを配し、人物を立体的にとらえ、血なまぐさいシーンを優雅な映像に変換する。陰影に覆われた人物の横顔が、苦悩と勇気、命を賭けるべき大切なものは何かを教えてくれる。(70点)
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舞うように銃を放ち、血しぶきを出しながら身悶える。スローモーションで撮影された銃撃戦は空間のあらゆる位置にカメラを配し、人物を立体的にとらえ、血なまぐさいシーンを優雅な映像に変換する。友のためにはわが身を危険にさらすことも厭わず、利害だけで結ばれた親分でさえ裏切る。そんな、固い友情で結ばれ、愚直なまでに仲間を守ろうとする男たち。映画は追い詰められた彼らの逃避と復讐を壮大なオペラのように叙情たっぷりに描く。暗い陰に覆われた登場人物の横顔が、苦悩と勇気、そして命を賭けるべき大切なものは何かを教えてくれる。
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◆随所に散りばめられた銃撃戦(70点)
舞台は中国返還が迫るマカオ。香港マフィアのウー(ニック・チョン)は、ボスのフェイ(サイモン・ヤム)を裏切って逃走し、今では妻と赤ん坊と暮らしている。ウーの家の前に四人の男が現れる。フェイにウーの殺害を命じられたブレイズ(アンソニー・ウォン)とタイ(フランシス・ン)、ウーを守ろうとするキャット(ロイ・チョン)とファット(ラム・シュ)。ウーと四人の男たちは、少年時代から仲が良く、共に過ごしてきた仲間であった。五人が揃ったときに凄まじい銃撃戦が繰り広げられるが……。
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