主人公が戦場で居並ぶ敵に矛を横一閃、一気に6人の足首をぶった切る。武人として優れているだけでなく軍略にも富む彼は、男同士の友情がはかなく壊れゆく過程で、大義ゆえに信義を捨てる苦悩と悲しみを負わなければならない。(60点)
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ジェット・リー扮する将軍が戦場で居並ぶ敵に矛を横一閃、一気に6人の足首をぶった切る。数多の映画で描かれてきた合戦で、これほど効果的な攻撃法があっただろうか。胸や首を狙うのではなく、片足を使えなくすることで相手の戦闘能力を奪い、なおかつ致命傷を与えないことで敵側の負担を増やす。このシーンに見られるように、彼の役は武人として優れているだけでなく軍略にも富む。しかし大義ゆえに信義を捨てる苦悩と悲しみを負わなければならない。物語は共に生き共に死なんと誓った男たちの友情がはかなく壊れゆく過程で、人間の器の大きさは治める範囲や人数に比例することを教えてくれる。
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リアルで血生臭い戦闘シーンは迫力たっぷり(70点)
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ラブストーリーのイメージのピーター・チャン監督の映画とは思えないほど、骨太で男っぽい作品だ。19世紀、内乱状態の中国で、義兄弟の契り“投名状の誓い”を結んだ男たちの、友情と裏切りのドラマが展開する。ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武という豪華スターの競演だが、アクションよりも複雑にからみあう人間ドラマが中心。3人の信念、野心、嫉妬、愛などの悲痛な思いが、すべて清朝の重臣たちのコマとして利用され、友情と絆が壊れていくのが哀しい。実話に基づくが、権力志向のパン将軍と元盗賊のアルフの間で揺れる純粋なウーヤンの視点が、物語にロマンと悲哀を加えている。名手ジェット・リーのアクションの見せ場は少ないが、その分、彼の確かな演技力が確認できる。ワイヤーアクションに頼らない、リアルで血生臭い戦闘シーンは迫力たっぷりだ。
◆ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武が夢の競演(70点)
昨年公開された『レッドクリフ PartI』が、興収50億円を超える意外なメガヒットになったことは記憶に新しい。今年4月に封切られた後編もオープニングは好調のようだ。だが、あえて言おう。総花的な『レッドクリフ』より、主要なキャラクターを絞りこんだ『ウォーロード/男たちの誓い』の方が、実は格段に面白い。
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