粘土細工を1コマづつ撮影する職人的なこだわりにぬくもりを覚え、主人公の顔の残った指紋がこの作品をコンピューターではなく人間の手になるものであることを思い出させ、おそろしく時間がかかる作業であることを知らしめる。(40点)
アニメといえばCGが全盛の時代になっても、粘土細工を1コマづつ撮影する職人的なこだわりがぬくもりを覚える。主人公の顔の残った指紋が、この作品をコンピューターではなく人間の手になるものであることを思い出させ、おそろしく時間がかかる作業であることを見る者に知らしめる。メインキャラクターの動きや表情だけでなく、周囲の小道具や背景のディテールにまで神経が行き届いた映像は、まるで人形が生きているかのような存在感が感じられる。しかしそこで繰り広げられる物語は、素材の持つソフトなタッチとは全くミスマッチの連続殺人鬼による犯罪。見た目の子供っぽさからくる期待を裏切るミステリーとスリラーを融合させるような展開は、どこか違和感を否めない。