暴力的なフィルム・ノワールだが、クローネンバーグにしては抜群に判りやすい(75点)
暴力的なフィルム・ノワールだが、クローネンバーグにしては抜群に判りやすい。ロンドンのロシアン・マフィアの闇の世界を描いた犯罪映画だ。謎の運転手ニコライ役のビゴ・モーテンセンの体当たりの演技が新鮮。全裸での壮絶な格闘シーンや全身に施された凝った刺青など、異様な迫力に圧倒される。ある謎を秘めたニコライと、小さな命を守ろうとする看護婦のアンナが惹かれあう展開は、この危険な香りの映画の中の灯火のようでほっとする。
暴力的なフィルム・ノワールだが、クローネンバーグにしては抜群に判りやすい(75点)
暴力的なフィルム・ノワールだが、クローネンバーグにしては抜群に判りやすい。ロンドンのロシアン・マフィアの闇の世界を描いた犯罪映画だ。謎の運転手ニコライ役のビゴ・モーテンセンの体当たりの演技が新鮮。全裸での壮絶な格闘シーンや全身に施された凝った刺青など、異様な迫力に圧倒される。ある謎を秘めたニコライと、小さな命を守ろうとする看護婦のアンナが惹かれあう展開は、この危険な香りの映画の中の灯火のようでほっとする。
得体の知れない不気味さの奥に潜む鋼鉄の意志を持つ主人公を演じたヴィゴ・モーテンセンが圧倒的な存在感を示し、陰鬱な中に人間の感情を鋭く切り取る映像は、見る者の心に恐怖とその先にある希望をダイレクトに響かせる。(80点)
血には血を、暴力には暴力を。のどを一直線にかき切る凄惨な報復と裸の肉体がぶつかり合う格闘シーンは、強烈なリアリティをかもし出す。一方で、失意のうちに息絶えた少女が残した子を巡る愛。死が日常の世界に住む男たちが、赤ちゃんという生を目の当たりにして、わずかに残った良心に気付く場面が救いをもたらす。非情の世界に身をおきながらも、得体の知れない不気味さの奥に潜む鋼鉄の意志を持つ主人公を演じたヴィゴ・モーテンセンが圧倒的な存在感を示す。
全裸格闘に挑んだヴィゴ・モーテンセンは見事オスカーノミネート(75点)
『イースタン・プロミス』は、『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役ヴィゴ・モーテンセンの主演最新作。なんと彼の全裸姿モザイク無しによる格闘シーンがあるということで、世界中の女性映画ライター陣の間で大変な話題を呼んだ(と予想される)問題作である。
デヴィッド・クローネンバーグ最新作(85点)
この映画はかなりの衝撃だった。観終わった後の満足感は8月に観た『ボーン・アルティメイタム』に匹敵する程。もう1度映画館で観たいと思わせる様な映画はわたしにとってそんなにないのだが、この映画はまさにもう1度観たい映画だ。2007年のトロント国際映画祭で最高賞を受賞した、デヴィッド・クローネンバーグ最新作『イースタン・プロミス』。これがその映画である。