◆内部告発しようとする主人公の正義感が非常に安っぽいのに、それを見抜けない会社。さらにFBIが彼に振り回されるという構図が、コミカルな音楽に彩られる。しかし、人間の愚かさを突き詰めたおかしさまでにはに詰められいない。(40点)
米国人の主食だけでなく多くの食品の添加物となり、エネルギーにも変換できるコーンを牛耳るものが経済を左右する。そんな世の中の歪みを知りながらも、なんとか折り合いを付けている男は、虚構で固めた自分の人生こそがまともであると信じている。国際的な組織犯罪に手を染める大企業を内部告発しようとする主人公の正義感が非常に安っぽいのに、それを見抜けない会社。さらにFBIが彼に振り回されるという構図が、コミカルな音楽に彩られる。しかし、彼らの愚かさを突き詰めたおかしさまでにはに詰められておらず、斜に構えた中途半端で笑えないコメディになっている。この中途半端さこそが人間の真実と言いたいのだろうが・・・。
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◆ブラックな笑いに満ちたトンデモナイ実話(65点)
あれ、フィリップ・シーモア・ホフマン? と思ったら、役作りのために10キロ以上増量したマット・デイモンと分かってびっくり。だがデイモンの“オヤジ化"以上に、主人公のハチャメチャ度はショッキングだった。1992年、イリノイ州。マーク・ウィテカーは、33歳にして大手穀物商社で申し分のない年俸で重役をまかされる、将来を嘱望された優秀な社員である。だがそんな彼が、自社を、国際カルテルを結んでいるといきなり内部告発した。それを受けたFBIは捜査を開始するが、ウィテカーの供述は二転三転。彼の舌一枚で、捜査は大混乱に陥っていく。
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◆マット・デイモンが13.5キロ増量して挑んだ嘘つきおじさん(75点)
『トラフィック』『オーシャンズ11』のスティーヴン・ソダーバーグ監督最新作『インフォーマント!(原題:THE INFORMANT!)』。タイトルの”インフォーマント”とは内部告発者や密告者を意味し、それにエクスクラメーションマーク(俗に言うビックリマーク)が付いている。それゆえに、楽しいコメディ映画を想像してしまうだろう。確かに、これはブラックコメディ映画。しかし、タイトルの”!”は実は「こんなとんでもない可笑しな奴が実際に世の中にいたぞ!」というニュアンスを含むものなのだ。
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