好きな人の好きなものを好きになりたい(60点)
わだかまりを抱えた父と息子の和解の物語はファンタジー仕立てだ。余命わずかの父から昔の恋人を探してほしいと頼まれた聡史はしぶしぶ引き受けるが、託されたスケッチブックを開くと、父の青春時代へとタイムスリップし不思議な体験をすることに。若き父の行動は一見立派だが男の身勝手にも思える。だがそれを静かに受け止める恋人と真実を承知で父を支えた母の度量が感動の源だ。この父子はタイムトリップの力がないと分かり合えないのかと思うと心配だが、塚本と國村二人の海辺のシーンは思わずホロリ。好きな人の好きなものを好きになりたいというセリフがいい。