冷たい水につかりながら夜襲に向かったり、トンネルから敵陣に爆弾を投げ込んだり、スケールの大きさを強調するような合戦シーンとは一線を画し、前線ではいずりまわる兵士の視線で戦争を描くシーンはリアリティにあふれる。(40点)
小銃と火種だけは肩から上に持ち上げて胸まで冷たい水につかりながら夜襲に向かったり、トンネルから敵陣に爆弾を投げ込んだり、スケールの大きさを強調するような戦闘シーンとは一線を画し、前線ではいずりまわる兵士の視線で戦争を描くシーンはリアリティにあふれる。古代でも中世でも現代でもない17世紀前半の欧州、甲冑を脱ぎ捨てた軍人はいかに戦ったか。さらに長槍歩兵同士の合戦では硬直した槍衾の下をくぐって短剣で敵を刺すなど、初めて見るような戦い方に目を見張る。しかし、戦場を離れた主人公のエピソードは前後関係を端折ったような急ぎ足の語り口で、元ネタを知らないと因果関係がよくわからない。