散文的なゆったりとしたテンポの中、絶妙な間合いの会話がとぼけた味わいを醸し出す。もどかしいまでに進展しない主人公と恋人の仲は見る者の期待を裏切り続け、先の見えないエピソードが日常に潜む意外性を強烈に意識させる。(50点)
パリで出会った男と女、そこからイメージされる華やかな街並みや心躍る恋とは一線を画し、とらえどころのない男のだらだらとした日々を追う。異国の異文化に対する好奇心もなく、時間が過ぎ去るだけ。そんな日々でも健康な男なら性欲を催し、抑えきれなくなる。映画は散文的なゆったりとしたテンポの中、絶妙な間合いの会話がとぼけた味わいを醸し出す。もどかしいまでに進展しない主人公と恋人の仲は見る者の期待を裏切り続け、先の見えないエピソードが日常に潜む意外性を強烈に意識させる。