終盤は見所が多い(70点)
© 2009 アスミック・エース エンターテインメント
何だかドキッとする響きのタイトルだが、出そうとしているものはお金だ。この映画には、本来、お金というのは何かの目的のためのツールであるべきなのに、いつしかお金そのものが目的になっている世の中への素朴な疑問がある。と同時に、目的のための大金を手にしたら、それがその人の幸せにつながるのかとも問いかける。東京から故郷の函館に突然もどってきた摩耶は、再会した高校時代の同級生たちの夢や希望を叶えるために、大金を差し出す。陸上選手としての再起、世界の市電めぐり、魚類の研究資金などの夢はかなうのか。そして、大金を提供する摩耶の真意とは。
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若き日の友人の前に突然現れ、彼らの夢の実現のためにカネを出すという女。前向きな目標を持つ者に幸運を運び、使い方を知らない者には不幸の影が忍び寄る。カネの魅力と魔力を同時にふりまきながら彼女はただ事の成り行きを見守るだけ。映画はヒロインの目を通し、人間の謙虚さと愚かさを抑制のきいたタッチであぶりだす。悲喜こもごもの結末の数々で、カネがもたらす可能性と人とのかかわりあいの難しさを寓意たっぷりに描く。
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究極の投資ははたして幸福を生むのか?(55点)
© 2009 アスミック・エース エンターテインメント
昨今は投資ブーム、というより、FXだの株式投資といったものはもうすっかり人々の生活になじんでいる。正社員以上の人ならば、誰でも何かしら行っているのではと思うほどだ。私の周りでも、ホリエモンのせいですっかり資金を溶かした人から、億単位の儲けを出している人まで、様々な話が聞こえてくる。
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◆同級生に大金を次々と差し出す女の物語。アイデアはとてもいいが、話がダイナミックに展開していかない(68点)
森田芳光監督の迷走は続いている。
「家族ゲーム」「それから」のような名作から、「模倣犯」のような迷作まで、振り幅は大きいが、常に意欲的な作品に挑戦する森田監督。最近は、「サウスバウンド」「椿三十郎」と、試みや狙いは面白いものの、成功とはいい難い作品が続いた。
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