田舎と過去が過剰に美化された演出が目に余る(50点)
いい話だが印象が薄すぎる。住宅販売のトップセールスマンの智宏は、家庭を大切にする暇がない。だが、ある一家との出会いから、おばあちゃんっ子だった昔を思い出す。優しい祖母やいい人ばかりの町の人々。田舎と過去が過剰に美化された演出が目に余る。“ぼく”のキャラは立ってないし“おばあちゃん”はあまりに普通だ。これではホームビデオを見ているようで映画としての訴求力に欠ける。原因は、がばいばあちゃんの個性に匹敵するエピソードを用意できない脚本にある。高年齢主役でギネスに認定された菅井きんさんと、これが遺作となった深浦加奈子さんに敬意を払いたい。