信じあう世界も憎みあう世界も紙一重(50点)
すべてが解決すると期待した続編だが、ますます謎を呼ぶ作りで悩んでしまう。原作ファンには物足りない、それ以外には説明不足という定番の轍を踏んでいる。雛見沢村に戻ったレナは、圭一たちと楽しく過ごしていたが、父の新しい恋人になじめず情緒不安定になる。前作は圭一目線だったのが今回は完全にレナ目線。疑心暗鬼になったレナを、仲間たちが信じあい救うという設定は一見固い友情に見えるが、極めて自己中心的で脆い信頼関係だ。信じあう世界も憎みあう世界も紙一重。では何を頼りに生きればいいのか。最大の見せ場である、屋根の上での“対決”の刹那的な快感だけは生を実感できたのだろう。次へつながるラストには期待よりも脱力感が漂った。