丁寧に高知の暮らしを描く姿勢に好感が持てた(50点)
© Harimaya Bridge, LLP
米国人監督が描くちょっと変わったご当地映画だ。心が離れたまま死別した息子ミッキーが残した絵を取り戻すため米国から高知に来たダニエルは、日本と日本人への偏見に満ちていた。だが、息子が愛した女性と出会い、新たな事実を知る。監督自身が高知に住んだ経験があり、不満や主張をグッとこらえて人と接する通訳の女性や、むやみに“ガイジン”に憧れるアシスタントの女の子など、日本人の性格の特徴を鋭くつかんでいる。何より“日本”を強調せず、丁寧に高知の暮らしを描く姿勢に好感が持てた。偏見を乗り越えるのは困難だが、きっと分かり合える日は来る。終盤はご都合主義のハッピーエンドとなるが、最初は乱暴に脱ぎ捨てていた靴を、日本滞在で変化した主人公がきちんと揃えるなど、細やかな描写が光った。
日本に憎しみを抱く米国人が、日本人の優しさと誠実さにわだかまりを解いていく。人と人のつながりの中で命が受け継がれていくことを実感し、過去より未来を明るいものに変えていこうと態度を変化させる過程がすがすがしい。(60点)
© Harimaya Bridge, LLP
日本に憎しみを抱くアフリカ系米国人が、日本人の優しさと誠実さに触れていくうちにわだかまりを解いていく。不機嫌な主人公が人と人のつながりの中で生命が受け継がれていくことを実感したときに、忌まわしい過去よりもこれからを明るいものに変えていこうと態度を変化させる過程がすがすがしい。父を殺され息子の命を奪った日本人、だが、彼の息子が愛し、夢をかなえ、その証を残したのもまた日本人。コミュニケーションがお互い理解を深め、国籍や人種、言葉やカルチャーの壁を越えた心の交流を促進することを描く。
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