好きな男に振り向いてもらえない苛立ちが、タイプの音と重なって少女の心をよぎる。理想とは程遠い現実に対し彼女は虚構を構築するが、過去に後戻りできない。映画は失われた時間を呼び戻すことで、人生の美しさともろさを描く。(80点)
好きな男に振り向いてもらえない苛立ちが、タイプライターの音と重なって少女の心をよぎる。ライバルは姉、しかも男と姉は少女の価値観からは外れた不適切な関係。まだ恋も知らないような思春期の少女の純粋な「愛」への憧れと「性」に対する潔癖さが、男と姉の愛を破綻させてしまう。理想とは程遠い現実に対し、彼女は小説という嘘のなかに完璧な世界を構築しようとするが、過去に後戻りはできない。映画は失われた時間を呼び戻すことで、人生の美しさともろさを描く。
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格調高い恋愛ドラマの終盤には静かな驚きが用意されている。英国の実力派俳優の演技が見事。(85点)
戦争の影が忍び寄る1930年代のロンドン。上流階級の令嬢セシーリアは、屋敷の使用人の息子ロビーと強く惹かれ合っていた。だが、幼く多感な妹ブライオニーの嘘により、ロビーは無実の罪をきせられ戦場へと送られてしまう…。
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キーラ・ナイトレイ主演の本年度ゴールデン・グローブ最多ノミネート作品。(85点)
イアン・マキューアンという英国人作家がいる。彼は1998年の処女作『アムステルダム』で一躍有名になった。そして続く『贖罪』でも多くの賞を受賞している。この彼の『贖罪』が映画化され、今年のヴェネツィア国際映画祭でオープニングを飾った。キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ主演による『つぐない(原題:ATONEMENT)』という作品だ。
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