総勢34名の大所帯だが、作家性が強いだけにすぐに誰の作品かわかる。(70点)
© 2007 バンダイビジュアル TOKYO FM 電通 TV朝日/オフィス北野
© 2007 Festival de Cannes- Elze’vir Films. All Rights Reserved.
映画好きをときめかせる贅沢なオムニバス映画は、名監督揃い。総勢34名(ダルデンヌ兄弟は2人と換算)の大所帯だが、作家性が強いだけにすぐに誰の作品かわかる。映画館と映画を描くため、過去の名作も豊富に登場。これまた嬉しい。わずか3分で“物語”を語るのは難しいが、記念映画ならそれもいいだろう。最も気に入ったのは、意外にもユーモラスなケン・ローチの「ハッピーエンド」。この企画自体を笑い飛ばすセンスが洒落ている。
すべての作品は、クレジットを見なくてもその作風から作者が分かるほど監督の個性が圧縮されている。ただ、ひとつのドラマを語るには短すぎる3分間という細切れのフィルムを2時間近く連続して見続けるのには、少々忍耐が必要だった。(50点)
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映画は映画館で見てほしい。シートに浅く腰掛け、背もたれの上に後頭部をのせ、足を投げ出してスクリーンを見上げる。余計な光や雑音はすべて遮断し、ただただ自分が作り出した作品世界に身をゆだね、登場人物の喜怒哀楽を共有する。あらゆる映画作家は観客がそうなることを望んでいるはずだ。「あなたにとって映画館とは何か」という命題のもと、世界中から選ばれた33人の映画監督が3分間にその思いを凝縮する。
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