カネもなく、家族にも見捨てられ、仕事にも恵まれず、それでもプライドだけは高い、かつて一世を風靡したジャン=クロード・ヴァン・ダムの現状を描く。そこでは現実と虚構が交錯し、奇妙な緊張感とシニカルな笑いが入り交じる。(70点)
© 2008 GAUMONT-SAMSA FILM
救出した人質の手を引きながら、銃弾をかわし爆発に乗じて逃げ道を探す男。武装したテロリストを徒手空拳で蹴散らし活路を見出そうとする。しかし、明らかにヒーローの動きにはキレがなく、激しいアクションの連続に息が上がっている。演じているのはジャン・クロード・ヴァン・ダム、寄る歳波には勝てず、長回しのシーンは無理と監督に愚痴っている。映画は彼の落ちぶれた姿にカメラを向け、カネもなく、家族にも見捨てられ、仕事にも恵まれず、それでもプライドだけは高い、かつて一世を風靡した俳優の現状を描く。そこでは現実と虚構が交錯し、奇妙な緊張感とシニカルな笑いが入り交じる。
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笑うに笑えないネタが次々に登場(70点)
© 2008 GAUMONT-SAMSA FILM
B級アクション路線まっしぐらで、90年代に人気絶頂だったジャン=クロード・ヴァン・ダムが、自らをネタにしたメタ・フィクション・コメディー。落ち目の俳優ヴァン・ダムが、故郷のベルギーで偶然に立ち寄った郵便局で強盗に遭遇。警察や市民はヴァン・ダムが犯人だと勘違いし大ニュースになってしまう。親権争いや金銭トラブル、セガールに役を奪われたり、ハリウッドに呼んでやったジョン・ウーから冷たくされたりと、笑うに笑えないネタが次々に登場して、あまりにやるせないが、本音に聞こえるビミョーなセリフが絶妙だ。アクションのイメージしかなかったヴァン・ダムの“演技力”が堪能できるという意味で、必見の1本と言えよう。
◆とにかく自虐的で皮肉たっぷり(80点)
90年代にハリウッドでアクションスターとして一世を風靡し、現在ではビデオ・DVDスルーのB級アクションで地道に活躍し、日本では単館系B級アクションスターとしてスティーブン・セガールやウェズリー・スナイプスとともに“シネパトスBIG3”(私が勝手に命名)、“ヴァンダミング・アクション ”や“ヴァンダボー”といったキャッチフレーズでお馴染みの、“テレ東洋画劇場の顔”として今でも多くの人々に愛されているジャン=クロード・ヴァン・ダム。
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◆落ち目のヴァン・ダムが自分を演じてみせるけど、ただのキワモノ映画じゃない!(70点)
90年代のジャン=クロード・ヴァン・ダムは輝いていた。アクションスターの範疇を超えることはなかったが、チャック・ノリスやスティーブン・セガールのようなアクションだけのスターとはどこか違った存在だった。ところが今世紀に入ってヴァン・ダムのキャリアは急降下する。大作への出演がパタリと途絶え、私生活でもトラブル続き。『その男ヴァン・ダム』は、そんなトホホなヴァン・ダムが、トホホな自分を虚実の境目も曖昧に演じた作品だ。
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ジャン=クロード・ヴァン・ダム出演映画史上最高のクオリティ!(70点)
© 2008 GAUMONT-SAMSA FILM
90年代にスティーヴン・セガールと共にアクション映画界で活躍したベルギー、ブリュッセル出身の俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダム。『ユニバーサル・ソルジャー』『ハード・ターゲット』『ストリートファイター』『タイムコップ』等代表作も多数。新作『その男ヴァン・ダム(原題:JCVD)』はヴァン・ダムがジャン=クロード・ヴァン・ダムという48歳の1度一世を風靡したアクション俳優を演じ、彼の歳をとってもアクション俳優として生きなければならない悲しい現実を描いている。これは半分本当で、半分フィクションの様な物語。
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