◆抑制の効いた演出が光る佳作(70点)
心に抱いた悲しみを描く物語にふさわしい、抑制の効いた演出が光る佳作だ。15年の刑期をおえたジュリエットは、歳の離れた妹レアの家に身を寄せる。再会した姉妹は互いに遠慮して、打ち解けることができない。ジュリエットの犯した罪は、幼い我が子を殺したことだ。その理由を決して語ろうとせず、自分の殻に閉じこもる姉の心に、懸命に近づこうとするレア。妹や周囲の人々とのぎこちない触れ合いの中で、ジュリエットは少しずつ変化を見せ始める…。
◆抑制の効いた演出が光る佳作(70点)
心に抱いた悲しみを描く物語にふさわしい、抑制の効いた演出が光る佳作だ。15年の刑期をおえたジュリエットは、歳の離れた妹レアの家に身を寄せる。再会した姉妹は互いに遠慮して、打ち解けることができない。ジュリエットの犯した罪は、幼い我が子を殺したことだ。その理由を決して語ろうとせず、自分の殻に閉じこもる姉の心に、懸命に近づこうとするレア。妹や周囲の人々とのぎこちない触れ合いの中で、ジュリエットは少しずつ変化を見せ始める…。
◆彼女は心を閉ざし、笑顔は見せない。まるで自らを罰するかのように、他人のやさしさから距離を取る。罪の意識と死の影にさいなまれるヒロインを、クリスティン・スコット・トーマスが抑制の中にも鋭い悲しみを利かせて演じる。(70点)
その女は心を閉ざし、笑顔は見せない。まるで自らを罰するかのように、他人のやさしさから距離を取り、言葉も控えめだ。そんなヒロインが、妹と新しい友人に恵まれて人生を見つめなおす過程がミステリー仕立てで描かれる。いったい何が起きていたのか、なぜ長期間にわたる不在があったのか、映画はそれらの疑問の答えを小出しにしながら、衝撃の真実に迫っていく。罪の意識と死の影にさいなまれながらも生き続ける道を選ぶ彼女を、クリスティン・スコット・トーマスが抑制の中にも鋭い悲しみを利かせて演じ、物語に深い奥行きをもたらしている。
◆名女優K・S・トーマスが息子殺しの女性を熱演(80点)
フランス映画『ずっとあなたを愛してる(原題:Il y a longtemps que je t’aime)』の主人公ジュリエットは我が子を殺した。母親が体を痛めて産んだ子を殺すという事はどういう事なのか?一体何が彼女をそうさせたのか?『イングリッシュ・ペイシェント』の名女優クリスティン・スコット・トーマスが堪能なフランス語を使い息子殺しの母親を熱演する。