お好きな人だけどうぞ(30点)
日テレにとっては社運をかけたであろう『ごくせん THE MOVIE』は、積極的な宣伝の甲斐あって、それなりの興行成績を残しそうな勢いだ。
お好きな人だけどうぞ(30点)
日テレにとっては社運をかけたであろう『ごくせん THE MOVIE』は、積極的な宣伝の甲斐あって、それなりの興行成績を残しそうな勢いだ。
暑苦しいほどの熱意で自分の思いを口にするだけでなく、時に暴力に訴えてでも実行に移し大切な道徳的価値観を伝える。相手に真正面からコミュニケーションをとれば必ず理解してもらえるという前向きな姿勢が非常に新鮮だ。(50点)
土手を走り、歩道を走り、街中を走るヒロイン。「夕陽に向かって走るぞ」と、教育の理想をコミカルに体現する姿はまさにステレオタイプ、年寄りを敬い、友を守り、義理人情に厚く、正義を貫くことを身をもって生徒たちに教えようとする。暑苦しいほどの熱意で自分の思いを口にし、時に暴力に訴えてでも実行に移し失われつつある道徳的価値観を伝える。何より相手を信じて正直に真正面からコミュニケーションをとれば必ず理解してもらえるという前向きさが、しらけ・あきらめ・無責任が蔓延する現代おいて非常に新鮮だ。
人気TVドラマの卒業式のようなもの(30点)
暑苦しさに磨きをかけ、ついに劇場版として登場した熱血教師ヤンクミこと山口久美子。教育実習にやってきたかつての教え子と共に新しいクラスの生徒たちに対峙していたが、卒業生の一人がトラブルに巻き込まれる。それは麻薬と政治の巨悪がからむ難事件だった。冒頭の、とって付けたようなハイジャックのシークエンスが何の冗談だったのかは不明だが、物語が意図的にユルくいいかげんなのは、ヒロインの暴走が浮かないための配慮。映画は、ベタなギャグ、唐突にシリアスな説教調のセリフ、目を覆いたくなる拙いアクションと、すべてがお約束通りに進んでいく。これは、人気TVドラマの卒業式のようなもので、ファン限定のラスト・プレゼント。そう考えると腹も立たない。新旧イケメンの品評会を単純に楽しめばいいのだ。