(70点)
ロシア版「母を訪ねて三千里」は実話だというから驚き。孤児院で暮らす6歳のワーニャはイタリアに養子縁組が決まったが、顔も知らない実母のもとへ行くためにたった一人で困難な旅に出る。極貧の孤児院では、養子縁組は金儲けの手段。子供は成長するとヤクザまがいのことや売春で日銭を稼ぐロシアの現実がシビアだ。そんな中、愛くるしいワーニャの意外にタフな姿が嬉しい。この子を見ていると不可能はないと思えてくる。
(70点)
ロシア版「母を訪ねて三千里」は実話だというから驚き。孤児院で暮らす6歳のワーニャはイタリアに養子縁組が決まったが、顔も知らない実母のもとへ行くためにたった一人で困難な旅に出る。極貧の孤児院では、養子縁組は金儲けの手段。子供は成長するとヤクザまがいのことや売春で日銭を稼ぐロシアの現実がシビアだ。そんな中、愛くるしいワーニャの意外にタフな姿が嬉しい。この子を見ていると不可能はないと思えてくる。
◆顔も覚えていない、愛された記憶もない。それでも少年の胸を突き動かす母への想い。冷めざめとした映像と氷が奏でるような音楽が主人公の心象風景となり、切ないまでの一途な感情が張り詰めた糸のような緊張感を醸し出す。(60点)
顔も覚えていない、愛された記憶もない。それでも少年の小さな胸を突き動かす自分を捨てた母への想い。今さら会いに行っても受け入れてくれるかどうかも分からないのに、彼は母の住所だけを頼りに知らない街を歩き続ける。冷めざめとした映像と氷が奏でるような音楽、それらが主人公を取り巻く心象風景となり、切ないまでの一途な感情が張り詰めた糸のような緊張感を醸し出す。孤児院で育てられたゆえ体よりもずっと早く大人にならざるを得なかった心、6歳にしてここまで老成してしまった少年の姿が痛ましい。