憎悪、怒り、悲しみ、後悔。あらゆる負の感情が詰まったパンドラの箱のような法廷で、最後に残った希望であろうとする主人公。世の中にあふれる悪意を感じるほど、精神のバランスを崩した妻を優しく受け入れるようになっていく。(60点)
憎悪、怒り、悲しみ、後悔・・・その他あらゆる災厄と負の思念が詰まったパンドラの箱のような法廷の中で、最後に残った希望であり続けようとするかのような主人公。世の中にあふれる悪意を強く感じれば感じるほど、精神のバランスを崩した妻を優しく受け入れるようになっていく。一組の夫婦の8年間の軌跡を追いながら、男女が心地よい関係を続けるためには何が必要かを問う。「好きだから一緒にいる」という言葉の向こうにある、胸の奥底で相手を思いやる気持ち。押し付けがましくなくそっと支えあう、激しくはないけれど馴染んでいる、そしていつもそばにいてくれる。そんなふたりの風景があたたかい気分にさせてくれる。