清冽な空気が山を覆い、明るくなると共に風景が温度を持ち始める。空は高く、草木も色とりどりの表情を見せる。自然が豊かなフランスの山岳地帯、少女とキツネの四季にわたる交流を通じて、人間と野生動物のかかわり方を問う。(60点)
© Bonne Pioche Productions-France 3 Cinema-2007
夜明け。清冽な空気が山を覆い、徐々に明るくなると共に風景が温度を持ち始める。空はどこまでも高く、草原も木々も色とりどりの表情を見せる。そんな自然が豊かに残るフランスの山岳地帯、少女は1匹のキツネを見つける。映画は、彼らの四季にわたる交流を通じて、人と動物のかかわり方を問う。友情は許されるが、決して相手より優位に立とうとしたり束縛してはいけない。その掟を学ぶことで少女は成長していく。
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動物たちや四季折々の自然の描写が驚くほど美しい(75点)
© Bonne Pioche Productions-France 3 Cinema-2007
子供と動物の最強コンビで、感動の強度は鉄板の如しだ。フランス山間部の村に住む少女リラが、一匹の野生のきつねと出会い、心を通わせながらも自然界の厳しい約束事を知って成長する物語である。たくさん登場する動物たちや四季折々の自然の描写が驚くほど美しい。きつねのテトゥの柔らかな毛の美しさや愛らしいしぐさに釘付けだ。物語は、いくら大好きでも、人間の都合で野生動物を飼いならすことは間違っていると教えるもの。大人になったリラの回想形式にしたことで、よりリリカルになった。ジャケ監督初の長編劇映画だが、記録映画タッチのさっぱりした演出に好感が持てる。