目先の欲望に負け、次々とクレジットカードで買い物をしてしまう。あとに残るのは請求書の山と分かっていても、なんとかなると思っている。これは「リーマンショック」以前の米国人の消費マインドと米国経済そのものではないか。(60点)
© Touchstone Pictures and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.
目先の欲望に負け、次々とクレジットカードで買い物をしてしまう。カードが無効でも何とかカネを捻出して、欲しいモノを手に入れる。あとに残るのは請求書の山と借金取りの督促と分かっていても、なんとかなると思っている。さらに意志の弱さを「中毒」という便利な言葉に置き換えることで自分を納得させ、周囲には問題がないように振る舞う。あまりにも勝手なヒロインの思考回路には嫌悪感しか覚えない。だが、これは「リーマンショック」以前の米国人の消費マインドと米国経済そのものではないか。そして、換金できるものはすべて処分して、身の丈に合った暮らしをする以外再生の道はないという解決策も共通している。
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金銭には執着してないところが物語全体を明るくしている(55点)
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この不景気なご時世に買い物が止められない話とは、さすがは娯楽派ブラッカイマー作品だ。だが買物依存症は立派な病気。少女時代の苦い体験でその原因を説明する導入部が上手い。買物が何より好きなレベッカはカード会社からの支払い催促と請求書の山から逃避する日々を送っていたが、なりゆきでお堅い経済誌の編集者に。匿名で書いたコラムが大人気になってしまう。ヒロインは物欲まみれだが、彼女が好きなのは買物という行為。金銭には執着してないところが物語全体を明るくしている。ただ破産寸前でも買物する主人公は経済事情に通じているはずで、そのあたりのノウハウを盛り込めばコメディとして突き抜けたはず。ご都合主義のハッピーエンドと、日本人にはピンとこないド派手なファッション・センスがご愛嬌だ。
意外な社会派ロマコメ(85点)
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世界最強のプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー(「アルマゲドン」「パール・ハーバー」等々)が製作するこのロマコメは、一見スィートな女の子向けでありながら、よく見るといかにも男が作ったような骨太さを感じさせるユニークな一品となった。
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◆アイラ・フィッシャーの突き抜けたコメディエンヌぶりが「買い」(70点)
アン・ハサウェイ主演の『プラダを着た悪魔』は、硬派なジャーナリスト志望の女の子がファッション雑誌に配属されて……というコメディだったが、『お買いもの中毒な私!』はその逆パターン。「お買いもの命」のレベッカはファッション雑誌への就職を狙うも、手違いからお堅い経済誌に採用される。チンプンカンプンの経済用語をネットで調べながら書きあげた記事は、しかし消費者の心理をとらえていると編集長から高評価。しかもよく見ると、この編集長、わりとハンサムで……。
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