横たわる遺体に死に装束を着せ死化粧を施す。その所作は歯切れよく威厳を保ち、なおかつ静謐な優しさに満ち溢れている。死への旅支度をととのえる役目を背負った主人公の姿を通じて、死と向き合うとはどういうことかを問う。(70点)
© 2008 映画「おくりびと」製作委員会
横たわる遺体に死装束を着せ死化粧を施す。その身のこなしは歯切れよく威厳を保ち、なおかつ静謐な優しさに満ち溢れている。人として生まれてきた者が、現世での役目を終えて静かに旅立っていく。その支度をととのえる役目を背負った主人公の姿を通じて、死と向き合うとはどういうことかを問う。若い命を散らして両親が泣き叫ぶ死もあれば、大往生して笑顔でサヨナラという死もある。葬儀の場で遺族の見せる表情が故人の生き方を饒舌に物語り、それを見つめる主人公もまた、さまざまな死から自分の人生を問い直していく。
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納棺師の仕事を描いた本格作品(90点)
© 2008 映画「おくりびと」製作委員会
ヴェネチアが大カントクにリップサービスしているのを真に受けて、日本のマスコミはそちらばかり報道していたが、真に注目すべきはモントリオール世界映画祭だった。ここでグランプリを受賞した『おくりびと』こそ、まさしく世界に誇るべき日本映画の傑作である。
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納棺師になった青年の成長を通して生と死の意味を問う秀作。納棺の所作と山形の自然が美しい。(75点)
© 2008 映画「おくりびと」製作委員会
失業したチェロ奏者の大悟は、ひょんなことから故郷の山形で納棺師という職につく。特異な職業にとまどいながらも、次第に仕事になじんでいくが、妻の美香だけには、仕事の実情を告げられずにいた…。
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◆着眼点がすばらしい(85点)
所属していた楽団が解散することになり、妻と故郷の山形に戻ったチェロ弾きの大悟(本木雅弘)。旅行代理店かと思って面接に足を運んだ会社に採用されるも、実際の仕事は、遺体を棺に納めるというものだった。しかも初仕事が、腐敗が進んだ老人の遺体だったため……。
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