アイルランド紛争が図らずもエセルの目を開かせる展開は興味深い。(65点)
© Scion Premier(Third) Limited Partnership/UK Film Council/Closing The Ring Limited/CTR Canada Limited
第二次大戦下の悲恋を描くが、現代の紛争も同時に描き、物語がただ郷愁に浸るのを防いでいる。心を閉ざして生きたエセル・アンは、ある指輪によって過去を回想することに。戦時下、男3人がそれぞれの形で愛するエセルを守ろうと秘密の約束をするが、これがどうも身勝手なヒロイズムに思える。なぜエセル本人の意見を無視するのか。遠回りは彼らの責任も大きいのでは。アイルランド紛争が図らずもエセルの目を開かせる展開は興味深い。
現在と過去、謎と秘密。戦死した恋人を思い続ける老婆と、死の直前に託した彼女への思い。米国の田舎町とアイルランド、大戦中と50年後、ひとつの愛を巡ってバラバラだった運命の糸がより合わさって真実という一点に集約していく。(70点)
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頻繁に入れ替わる現在と過去、徐々に明らかにされていく謎と秘密。戦争で命を散らした恋人を思い続ける老婆と、その恋人が息を引き取る直前に託した彼女への思い。そして頑なに心を閉ざして生きてきたヒロインが最後に自分の誤りを知って、再び愛する気持ちを取り戻す。ミシガン州の田舎町とアイルランドのベルファスト、大戦中と50年後、ひとつの愛を巡ってバラバラだった運命の糸がより合わさるように真実という一点に集約していく。その語り口は、ロマンスとミステリーに少しの暴力の要素を加えた絶妙のバランスで、最後までスクリーンから目が離せない。
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