◆入江悠のアイデア抜群の脚本、見せ場作りの巧さは今作でも健在であり、その出来栄えは明らかに前作を超越している(75点)
日本インディーズ映画史上最強の伝説を築き上げた青春音楽ドラマ『SR サイタマノラッパー』の続編。監督、脚本は前作同様に入江悠。
今回は舞台を埼玉から群馬に移し、メインキャストも男たちから女たちに変更!! 新たなる伝説を築こうかと言わんばかりの一新だ!! だが、前作の主人公であるIKKU(駒木根隆介)とTOM(水澤伸吾)も引き続き登場し、ストーリーをしっかりと盛り上げてくれるのだ!!
亡きタケダ先輩が生前に繰り広げた野外ゲリラライブの聖地を探して埼玉から群馬へとやってきたIKKUとTOM。二人は、おかっぱ頭のこんにゃく店女アユム(山田真歩)と出会う。彼女もタケダ先輩の一番弟子を自認する女ラッパー。二人に感化されたアユムは、高校時代に組んでいたヒップホップ・ユニット“B-hack”を再結成し、ライブをやりたいということでかつての仲間たちを訪ねて説得しまわるが……。
前作も面白かったが、今作でも面白さをしっかりと発揮している。まずは、B-hack対IKKUとTOMの威勢の良過ぎるライムバトルはとにかく見応え抜群であり、三村和弘の目まぐるしさをも感じさせるカメラワークが功を奏し、大いに盛り上げる。そして、アユムの母三回忌の酒の席でのシーンが終盤を大いに盛り上げるが、これが目に焼きつくほどの印象深いシーンであること間違いなし!! 入江悠のアイデア抜群の脚本、見せ場作りの巧さは今作でも健在であり、その出来栄えは明らかに前作を超越しているのだ!!
栃木を舞台にした更なる続編が製作されそうだが、果たして実現されるのか……?!
(佐々木貴之)