◆中国四大奇書の一つ「金瓶梅」の映画化。香港映画だが、日本のグラビアアイドルやAV女優ら4人が出演している。ワイヤー・ワークを使い、セックスとカンフーを組み合わせた「カンフー・セックス」が珍妙な見もの。人気力士・高見盛の恋人と言われているタレント松坂南が森川由衣の名前で出ているのではないか? といわれているのも話題だ(55点)
現実的な意味合いでは、アダルトビデオが普及して以来、ポルノ映画の役割は非常に小さくなったと言わざるを得ない。性的興奮のみを求めるのであれば、ビデオやDVD、オンラインで鑑賞出来るAVで十分であり、わざわざ映画館にポルノを見に行く意味はないからである。しかし、本作は気になって仕方ない。前代未聞のカンフー・セックスが描かれているというからだ。クンフー映画好きとしては、これも見ておかなければ、と思ってしまった。
宋の時代。著名な性科学者(チョイ・シウキョン)の家に生まれた西門慶(ラム・ワイキン)は、幼いころから父によって性技の数々を伝授される。この性技の訓練がまるきりカンフー映画。最初は腕立て伏せ、次に指立て伏せ、そして一物立て伏せと、書いていてもバカバカしい展開だが、嫌いではない。
その後について、細かく紹介しても意味はないだろう。やたら主人公が腰を振るベタな場面はまあ笑えた。若菜ひかる、上原カエラ、早川瀬里奈と日本のAV女優たちが次々と登場し、様々な絡みを見せてくれる。AV女優というと、演技が出来ないと思われる人もいるかも知れないが、彼女たちは普通の(何が普通か分からないが、AVでないという意味)女優と全く遜色ない演技力だった。
そして注目の森川由衣だが、西門慶の母と、雁夫人の2役を演じている。高見盛の恋人・松坂南に余り興味がないので、本物なのかどうか断言は出来ない。確かに写真で見た松坂南と顔はほぼ同じ。だが、胸はあんな「爆乳」ではなかったように思う。どうなのだろう。まあ、どっちでもいい。
彼女が雁夫人に扮してラム・ワイキンと繰り広げるのがカンフー・セックスだ。この場面は短いが笑える。実に荒唐無稽でバカバカしい。ワイヤーで飛び、空中に投げて受け止めたり、アクロバティックなエロはもはやエロではないが、大らかで楽しくなってくる。
突っ込むところはいろいろあるが楽しめた。原作は古典で、「文芸エロティック・ロマン巨編」などと宣伝されているが、文芸タッチは希薄。スケールもそれほど大きくないし、「ロマン」についてはよく分からない。基本的にはコメディー・ポルノだ。エロが凄いともいわれているが、この程度であれば驚くほどではないだろう。主人公がクンフーで敵と戦う短い場面は、立派なアクションになっていた。
本作は「第一部」で、今後、どこまで続くのか分からないが、続編があるらしい。ラストも物語の途中で終了し、「第二部」での登場人物の紹介に移ってしまう。続編ではもっと奇想天外なカンフー・セックスをたっぷりと見せて欲しい。
(小梶勝男)
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