◆R-18のレイティング、つまり成人映画にもかかわらず、韓国で累計400万人の観客を動員したという大作時代劇。男と女、そして男同士のベッドシーンの描写は相当に激しい。特に男同士の場面は、慣れていないせいか、ちょっと見ていられないほど生々しく感じられた。だが、それが単なる扇情的な見世物としてではなく、主人公たちの運命や、微妙な感情の表現になっているのが見事だった(72点)
舞台は1350年代後半、高麗31代目の王の時代。王(チュ・ジンモ)は王妃(ソン・ジヒョ)と政略結婚したものの、女に興味がなく、幼い頃から一緒だった近衛隊長ホンニム(チョ・インソン)を寝所の相手としていた。世継ぎを必要とした王は、寵愛するホンニムに王妃を妊娠させようとする。ホンニムと王妃は王の命令で体を重ねるうち、本気で愛し合うようになり、王は激しい嫉妬を覚える。
ストーリーに新しさはないが、本作には韓流時代劇に我々が期待するものが、一通り全部揃っている。宮中の豪華なセット、大人数による宮廷での華やかな群舞や剣舞、ワイヤーワークも使った剣術アクション、韓国全土でロケした美しい風景、血腥い拷問シーンなどだ。しかし何といっても最大の見所は、直接的な激しい性愛場面として描かれる、王と王妃、近衛隊長のドロドロとした三角関係だろう。
チュ・ジンモとチョ・インソンが裸で舌を吸い合う場面はかなりショッキングだ。チョ・インソンとソン・ジヒョの絡みも、まるでアダルトビデオのような濃厚さだった。いや、アダルトビデオ以上にエロティックかも知れない。近衛隊長と王妃という身分の違い、王に命令されて仕方なく体を重ねるという状況もあるが、役者たちの的確な演技がエロスを感じさせるのだろう。主役の3人は感情表現が実に巧みで、3人の人間関係がどんどん緊張を孕んでいく様子が、その表情を見ているだけで微妙なところまで伝わってきて、それがサスペンスを生み出していた。
当時の中国は元で、王妃は元から高麗に嫁いだという設定になっている。高麗は元とモンゴルという巨大な帝国に挟まれた弱小国で、元の言いなりにならなければならない高麗王の苛立ちや、その妻の立場なども描かれ、ドラマに厚みを与えている。3人の関係が極めて政治的であり、同時に個人的であることが、運命的な「悲劇」の面を強調している。
演出は、際立って優れているというわけではないが、「マルチュク青春通り」(2004)のユ・ハ監督は、どの場面も丁寧に撮っていて、役者の演技を最大限に引き出すことに成功し、韓流ドラマの醍醐味を堪能させてくれた。
タイトルの霜花店は、「雙花店」という作者不明の高麗歌謡をモチーフにしているという。餃子のような食べ物を売る店のことで、男女の逢引の場にもなっていたようだ。



























