◆グッゲンハイム美術館での壮絶な銃撃戦に興奮! (70点)
『パフューム ある人殺しの物語』(06)のトム・ティクヴァ監督が、不正な手段で巨利をむさぼる巨大銀行と、その摘発に人生をかけたインターポール捜査官との攻防を描いたクライム・サスペンス。複雑でわかりにくい経済事犯ではなく、古典的な謀略と暗殺の物語に徹した構成が成功し、緊迫感あふれる一作に仕上がった。インターポール捜査官のサリンジャー(クライブ・オーウェン)は、ニューヨーク検事局のホイットマン(ナオミ・ワッツ)の協力を得てIBBC銀行の不正を暴こうとするが、重要証人や捜査官が次々と殺害されて……。
主演のオーウェンはいささか地味だが、ワッツやアーウィン・ミューラー=スタール(IBBCの幹部役)らの脇役は健闘。だが本作で最も魅力的なのは、何と言ってもIBBCに雇われた義足の暗殺者“コンサルタント”(ブライアン・F・オバーン)だろう。この男、外見は影のように目立たないが、腕とプロ意識は超一流。ティクヴァ監督が『パフューム?』で創造した“嗅覚のターミネーター”とも言うべき殺人者を彷彿とさせる強力キャラだ。中盤、彼がイタリアの大統領候補を狙撃すると、ストーリーの進行が一気に活性化するのがわかる。
物語は欧州、ニューヨーク、イスタンブールと三大陸を股にかけて進展するが、中でも見応えがあるのはニューヨーク編だ。サリンジャーが義足を手がかりにコンサルタントの居所をつかむと、IBBCは2人に刺客の軍団を差し向ける。観光名所であるグッゲンハイム美術館での壮絶な銃撃戦は迫力満点! その特徴ある内装が特大セットでまるごと再現されたものだと知って2度ビックリ。宿敵のサリンジャーとコンサルタントが、インディアンに襲われた保安官と護送犯よろしく手を組んで窮地を脱し、奇妙な(しかし、はかない)友情を取り結ぶシーンは、男の涙腺をかなり刺激する。意味不明の副題にひるまず、ぜひご鑑賞あれ。





























