70年代に米国に実在したプロサッカーチーム“ニューヨーク・コスモス”の栄光と没落を追った記録映画は、メディア王のスティーブ・ロスがサッカー不毛の地で追った夢だ。ペレやベッケンバウワーがプレーしたチームは狂い咲いたあだ花のよう。巨大サッカービジネス、有名選手を利用した宣伝戦略など、現在の流れの源を見るようで複雑な気分になる。インタビューはどれも貴重なものだが、ペレ本人は出演拒否。この作品の弱点だ。
ペレを買った男 - 渡まち子
IN THE NAME OF THE KING: A DUNGEON SIEGE TALE - 岡本太陽
アメリカでは年明けになって公開される映画はほとんどといっていい程醜い。1月後半まではその傾向が続く。12月いっぱいまでは賞レースに参加させる為の良質な作品でごったがえすのだが、1月には年末に公開させるには醜過ぎる出来損ないの作品が揃う。あるファンタジー映画が今年になって早速公開されたのがだ、それもまた一言「つまらない」という言葉で言い表せるものであった。マイクロソフト社から発売されている中世ヨーロッパを舞台にしたコンピューターゲーム『ダンジョン・シージ』が基になっている『IN THE NAME OF THE KING: A DUNGEON SIEGE TALE』という映画である。
レンブラントの夜警 - 福本次郎
巧みに配された人物、精密に計算された光線、細部にまでこだわって再現された扮装。レンブラントが描いた絵画の中の人物情景をそのまま動画にしようとする試みは見事なまでの完成度を誇る。まるで今にも動き出さんとするような原画の登場人物が、額縁の中で命をを与えられたかのようだ。しかし、絵画の構図設定にこだわる余りカメラワークやライティングが単調になり、多岐にわたるキャラクターの心理がうまく交通整理し切れていない。結果として2時間20分近い上映時間は非常に冗漫な印象になってしまった。
ジェシー・ジェームズの暗殺 - 福本次郎
雪に覆われた荒野、枯れ木ばかりの林、凍りついた川、流れる雲・・・。陰鬱で荒涼とした米国中部の自然は、人間を寄せ付けない毅然とした美しさと厳しさを持つアウトローを象徴しているようだ。その、悪魔のように冷たい青い瞳は人の心を見透かすような魔力を持ち、見つめられた人間はすくみ上がりその狂気に抗うことはできない。物語はそれ以上に彼の感情に踏み込むことはせず、「何を考えているか分からない男」の描写の域を出ていないが、彼を間近で観察することになる主人公の心理が非常にリアルだ。
ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE - 渡まち子
製作側のキャッチコピーは“がっかりムービー”、映画冒頭で“しょうもない映画です”と居直られては、文句を言う気が喪失。原作は大人気ギャグマンガで、劇中に少しだけ静止画で登場する。ふえ科に入学させられた普通の青年ピヨ彦を中心に、謎の縦笛講師ジャガーをはじめユニークな面々のキャラがバツグンに立っているところがいい。だが、この笑いと小ネタは原作ファン以外には厳しいだろう。暴力場面に不快感が残るのが残念だ。
裸の夏 THE NAKED SUMMER - 前田有一
麿赤兒といえば、多数の映画に出演するベテラン俳優(先日、江田島塾長役を演じた『魁!!男塾』が公開されたばかりだ)であると同時に、舞踏家であり舞台演出家でもある。本作は彼の主催する舞踏集団「大駱駝艦」が毎年、白馬連峰の麓で開催する夏合宿の様子を追ったドキュメンタリー。舞踏家としての彼と、その考え方に迫る。
ちーちゃんは悠久の向こう - 前田有一
日日日(あきら)の人気ライトノベルの映画化『ちーちゃんは悠久の向こう』は、仲里依紗(なかりいさ)主演でエンドロールに奥華子の歌がかかるという、アニメ版「時をかける少女」人気をあてこんだような人材配置となっている。同じせつない系の青春恋愛ものであるこの両者、ファン層も重なっているという読みなのか。
ヒトラーの贋札 - 前田有一
がんさつ、ではなく"にせさつ"と読む。マヌケな犯罪者がコピー機で作るようなチンケな代物ではない。ナチス・ドイツが軍事作戦として敢行した大プロジェクトを、紙幣贋造に従事したものの立場から語る、実話を基にしたドラマだ。
ぜんぶ、フィデルのせい - 前田有一
タイトルのフィデルとはキューバの国家元首フィデル・カストロのこと。フランスのアッパーミドル一家のお嬢様だった9歳の少女が、共産主義にのめりこんだ両親のせいでその暮らしが一変してしまい、その不満を一言にしたタイトルだ。
Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! - 前田有一
ローワン・アトキンソンの名キャラクター"Mr.ビーン"は、およそ10年ほど前、日本でもブームになった。寸足らずのツイードスーツに濃すぎる顔で、いつも問題をややこしく増幅させるマヌケな英国人の姿は、いまも記憶に新しい。……というより、忘れたくともインパクトがありすぎて無理か。
28週後… - 前田有一
オリジナル脚本による終末ホラー「28日後…」(02年)は、ヨーロッパ(イギリス)の監督らしくシニカルなテーマ性と、万人向けな娯楽性を併せ持った佳作であった。
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 - 前田有一
都市伝説とは、いつの時代も人々の関心を引いてやまないが、さすがに150年間にも渡り、語り継がれるものは珍しい。
SS エスエス - 前田有一
クルマ映画というものは、えてして大都市ではヒットしない。しかしシネコンが普及し、都市部の興行比率が相対的に下がっている今日では、地方で根強い人気を誇るこのジャンルは、製作者にとって見逃せない。最近この手の映画が多く公開されるのはそれが理由だ。映画会社の人に聞いた話では、レンタルなどDVDの稼働率も高いという。
ジェシー・ジェームズの暗殺 - 前田有一
ジェシー・ウッドソン・ジェイムズといえば、西部開拓時代を古きよき……と表現するようなアメリカ人の間で、一種のヒーローとして扱われる伝説のギャング。南北戦争の生き残りの荒くれ男たちをまとめ上げ、列車強盗や銀行強盗など華やかな犯罪を繰り返した無法者のリーダーだ。本作はその悲劇的な一生を、人気スター、ブラッド・ピット主演で描く伝記映画。
銀色のシーズン - 前田有一
『銀色のシーズン』は、スキーを題材にしたブロックバスター的映画……を狙ったアクションドラマである。










