◆エネルギッシュな情熱すら感じられる(80点)
東宝と石原プロのスタッフが手懸けた石原裕次郎最後の主演作。日活ニューアクションの旗手・澤田幸弘が“沢田幸弘”名義で監督を務めた。
裏では麻薬で稼いでいる桜井孝(成田三樹夫)率いる桜井産業に二人のアウトロー、沖田徹男(石原裕次郎)と村木駿(渡哲也)が挑戦し、この組織を壊滅させるまでを描いたクライム・アクション。
裕次郎の主演作と先述したが、実質的には渡哲也とのW主演である。最初から中盤までは渡が良い活躍ぶりを魅せ、終盤あたりからは裕次郎に花を持たせているという感じだ。これは、石原プロの名物TVドラマ『大都会』(76?79)、『西部警察』(79?84)における裕次郎の出番は少なめで渡が大活躍の原点だと捉えることもできる。
本作の裕次郎は、とにかくインパクトがデカい。右頬に鋭い傷跡、黒いサングラスといういかにもコワモテという風貌で怪しい雰囲気を存分に感じさせてくれる。裕次郎がこれまでに演じてきたヤクザ役やその他のアウトロー役の中でも一番イカツい。劇中では「今でも落ちていく夢を見る」と言って、かつて桜井に車ごと崖から突き落とされて殺されかけたトラウマに少々悩んではいるようであるが、その風貌と世間一般の裕次郎に対するタフガイのイメージがそんなことを微塵も感じさせないのである。
石原プロ製作ということでお馴染みのアクションシーンも用意されている。まずは、冒頭で観られる戦場での爆撃戦だ。その後、渡扮する恐喝専門キャメラマンの村木が、桜井の秘書・菊川(小池朝雄)から裏の事情を吐かせるべく車を暴走・爆走させて脅し迫るという破天荒丸出しのカーアクションが観られる。この二つのアクションシーンよりも印象的で面白いのが、何と言っても裕次郎と渡が繰り広げる格闘アクションだ。裕次郎扮する沖田の腹違いの妹・上村秋子(鰐淵晴子)が見守る中で二人が激しく殴り合う。両者ともに一歩も引かない。この男同士のタイマン勝負は、エネルギッシュな情熱すら感じられる。
沢田監督がアウトローな男たちの非情な世界をクールなタッチで描き、石原プロの全面的なバックアップを得てお得意のアクションに磨きをかけたのである。



























