◆総会屋になるためにはどのようにするべきか (70点)
企業を喰い物にして不当な利益を得る総会屋の実態を初めて暴いた本作は、東映実録ヤクザ映画の一環として製作された。
一匹狼の駆け出し総会屋・中江(松方弘樹)は、ベテラン総会屋の乃木(小沢栄太郎)からそのイロハを教えてもらい、さらに同郷のヤクザ奥田(梅宮辰夫)のサポートもあって関西一の総会屋・神野(田中邦衛)を負かせて頭角を現し、やがて東京に進出する。その後、東商物産の副社長・長尾(大滝秀治)が中江に対し、曽宮(若山富三郎)が社長を務める東亜製作所への総会攻撃を依頼する。だが、この会社のバックには巨大総会屋の西島(丹波哲郎)が居座っていた。
総会屋の実態を克明に描いていく中で特筆すべき大きなポイントが一つある。それは“総会屋になるためにはどのようにするべきか”という方法をちゃっかりと描破していることだ。序盤で乃木一派と神野一派が激しい乱闘を繰り広げた末に乃木と中江が重症を負って入院し、病床の乃木が力尽きる前に中江を自身の後継者にするべく全身全霊を捧げてアドバイスをするシーンだ。これには、かなり驚かされてしまったと同時に「大丈夫か?!」と心配交じりのツッコミを心の中でカマしてしまったりという具合に、ヒヤヒヤ感を味わいつつ「よくぞここまでやってくれた!!」とヘンに感心させられてしまった。
ヤクザ映画ならではの描写を肉付けし、そこにコメディーの要素を少し加味して面白さを発揮している。殴る、蹴る、銃殺といったバイオレンスアクションが堪能でき、松方扮する中江の活躍及び行動を時折コミカルに描いて笑いを誘い出す。これらの描写がとにかく面白さを味わえるのだから良いの一言に尽きる。
津島利章による音楽も秀逸だ。本作以前に多く手懸けてきた実録ヤクザ映画のへヴィーかつダークなムードを漂わせながらも情熱さを感じさせるBGMとは、まったく違った軽快で本作が描くコメディー色に見事にマッチしたBGMがしっかりと作品を彩っている。
中嶋貞夫監督と笠原和夫と野上龍夫の脚本が「総会屋とは何か?」を、面白可笑しく描いて世間にその存在を広く知らせることに成功した一方でこの社会悪の存在を否定し、矛盾した社会体制と企業社会を浮き彫りにして世間に訴えかけたのである。



























