◆強烈な描写が一度観ると忘れられない (80点)
「漫画アクション」にて、1970年から1976年に渡って連載された小池一雄原作の同名時代劇漫画の実写化作品で、後に五本の続編が製作・公開された。
公儀介錯人(幕府公認の斬首役人の意)である拝一刀(若山富三郎)は、妻と一族を殺害された上に公儀反逆の汚名を着せられる。それは、一刀の要職を奪い取りたいと思っている裏柳生のボスである柳生烈堂(伊藤雄之助)の策略であった。その時から冥府魔道に生きる一刀と、幼子・大五郎(富川晶宏)のさすらいの旅が始まった。そんな二人に次々と柳生の刺客が襲い迫り、壮絶な激闘が繰り広げられる。
本シリーズの面白さは、何と言っても一刀を演じる若山の衝撃的な殺陣と、彼に斬られた者が噴水のような血飛沫を吹き飛ばすというスプラッター風味のバイオレンス描写だと言い切れる。この第一弾では、TV刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(72?87)の山さんでお馴染みの露口茂の首が吹っ飛び、ラストでは斬られた両足だけがつっ立っているという強烈な描写が、一度観ると忘れられないのである。従来の時代劇作品では観られなかったこのような描写が実に異色さを増しており、多くのファンを惹きつけた上に現在でも伝説として語り継がれているのである。
他にはセクシーな見せ場をしっかりと用意していたりというように娯楽性をしっかりと追求し、大人の味と呼ぶに相応しい出来栄えとなっている。
監督は大映映画の名匠・三隅研次。彼を迎えたのは、若山直々の依頼だったとのことである。主演の若山に関しては、本人が原作者である小池に直接「俺を主役にしてくれ!」と頼み込み、ご自慢の刀裁きを魅せつけて主役の座を勝ち取ったのである。最近では、ハリウッドのアクションスターであるスティーブン・セガールが小池に「オオカミをやりたい!」と頼み込んだらしい。
本シリーズは、海外でもファンが多い。アメリカではロジャー・コーマンの手によってこの第一弾と第二弾『三途の川の乳母車』(72)のバイオレンスシーンを編集したものを『Shogun Assassin』というタイトルで1980年に公開した。これがクエンティン・タランティーノを中心にフランク・ミュラー、マリオ・ヴァン・ピーブルズらに多大な影響を与え、さらには80年代にハリウッドで量産されたスプラッター系ホラーにも影響を及ぼしたのである。

























