オーストラリアには独特の可愛い動物がいて楽園というイメージがあるが、人間が自然をナメてかかると手痛いしっぺ返しをクラうという警告のような物語である。実話がベースの動物パニック・ムービーのストーリーは、いたってシンプルだ。北オーストラリアに旅行に出かけた男女3人は、釣り場を求めて訪れた川の奥の沼地で、何かに激突され船が転覆してしまい、水中に放り出される。凶暴なワニの仕業と知り、あわててマングローブの木によじ登って避難するが、逃げ場はなく絶対絶命の状況に陥ってしまう。
類似の作品に「オープン・ウォーター」があるが、あちらがサメならこちらはワニ。水陸両用の器用な生態、太古から変わらない異様な容貌などインパクトが強い生物、それがワニだ。鰐と漢字で書くと魚へんだが、実は鳥類に近い主竜類。恐竜と同類というからそりゃコワい。物語の興味は、救助さえ来ない絶望的な状況をどう打破するかの1点につきるが、3人の中で一番かよわそうな女性リーが最後にみせる逆襲がスゴい。ワニと対決するとハラをくくった彼女が、犠牲者の死体から腕をもぎとり「ワニさん、こちら」とばかりに敵を呼び寄せる。木切れじゃあるまいし、人の腕を小道具にする暴挙には絶句した。この映画、ワニの恐怖より、追い詰められたら何でもする人間の怖さを描いているのでは。やっぱりワニが好き。無論、ウソである!
(渡まち子)
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