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南の島のフリムン - 渡まち子

ユルくてハッピーな恋の大騒動の物語(60点)
南の島のフリムン

© 2009 吉本興業株式会社

 “沖縄もの”らしいにぎやかな人間ドラマは、ガレッジセールのゴリの初監督作。舞台はもちろん沖縄、出演者も沖縄出身にこだわっただけあって、セリフのやりとりが軽妙だ。養豚場で働く30歳・独身の栄昇は、毎日お気楽に暮らしているが、ある日、コザにあるポールバーの美人ダンサー・オレンジに一目ぼれする。思い切って告白したのはいいが、筋肉隆々の米兵マックスがライバルと知り、なりゆきで決闘するハメに。勝負に勝つため、空手の達人である伝説のおばぁ・金城先生に格闘技の奥義をたたきこまれるが、果たして勝機はあるのだろうか。

 どこまでも頼りない主人公は、幼馴染の恋心にも気付かないウツケ者だ。フリムンとは沖縄の方言で“愛すべきおバカさん”の意味。まさに主人公そのものである。ゴリ監督がこだわったというギャグが物語のテンポを削ぐ場面もあるが、沖縄独特の時間の流れには、それもまたいい。家族みんなでむさぼるように食べる郷土料理ががどれもおいしそうで、エネルギッシュな食事のシーンはそのまま作品の勢いに思える。ユルくてハッピーな恋の大騒動の物語だが、沖縄の自然や精神風土をナチュラルに物語に盛り込むなど、なかなかスミにおけない映画だった。それにしても口パクで歌うオペラには爆笑。こんなことを思いつく栄昇の純情に、オレンジちゃんもグッときたに違いない。

渡まち子

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