◆力作ドキュメンタリー(65点)
© Dangerous Films (Rocketmen) Ltd. 2009
A Dangerous Films Production in association with BBC Worldwide for Sony Pictures
NASAの宇宙開発は、多くの犠牲の上に成り立つ特権的プロジェクト。いったいなぜ人類はこうまでして宇宙を目指すのか。そこには、未知の領域への挑戦という神々しい情熱と、米ソの軍事目的と領土拡大まで視野に入れた競争意識という下世話な動機が同居していた。そんな人間たちのちっぽけな姿を再確認するような壮大な宇宙空間は、どこまでも謎めいている。本作は、米国の宇宙開発をリードしてきたNASAが秘蔵する膨大な記録フィルムを使って作り出された力作ドキュメンタリーだ。
漆黒の闇に浮かび上がる地球の姿はなんと神秘的で美しいのだろう。有名な、アポロ11号による人類初の月面着陸の映像は何度見ても誇らしいものだが、ロケットの打ち上げ失敗による悲惨な事故の映像の数々を改めて見せられると、つらくなる。今や日本人宇宙飛行士が宇宙で重要な役割を果たし、科学や医学などあらゆる可能性を模索している。莫大な開発費は今の時代に不適切との意見も多いが、それでもいつの時代も継続して宇宙開発に取り組んできた職員たちの勇気と情熱には頭が下がる。ドキュメンタリーの名手の英国BBCらしい真摯な記録映画だが、私たち一般庶民とのつながりが何もなく、遠い夢のような出来事を見ているかのような気持ちになるのは事実。それだけ宇宙はまだ遠いということだろうか。

























