◆潜水艦ものならではの描写は興味深い(45点)
終戦まであと数日というのに、何もかもがこざっぱりしてまったく極限状況に見えない戦争映画だ。悲壮も絶望も、むろん希望も感じられない。亡くなった祖母が持っていた楽譜「真夏のオリオン」の哀しい由来を語る形で、米国海軍駆逐艦と決死の駆け引きを繰り広げたイ-77潜水艦の艦長・倉本をはじめ、親友や恋人、同船した部下たちの思いを描く。そもそもすべてにユルい演出を施す篠原哲雄監督に、ハードな戦争ものを描かせるなど無茶なのだ。だが、海中深く身を潜めチャンスを伺う様子、人間魚雷“回天”を使った酸欠を防ぐ奇策など、潜水艦ものならではの描写は興味深い。お国のための死より生きることを肯定するスタンスは、現代の観客に受け入れられよう。ただし、好敵手同士のスポーツの対戦のような軽い物語として。




























