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過去のシリーズを知るファンには懐かしく、初めて見る観客には新鮮な驚きを提供する人気SFアドベンチャーは、予想を上回る出来の良さだ。若き日のカークとスポック、クルーたちの出会いを描く本作は、副題こそないが、いわば“ビギニング”。J.J.エイブラムスらしいエネルギッシュな演出で、イキのいい若手俳優たちが宇宙を舞台に大活躍する。無鉄砲な日々を送っていたカークがどさくさに紛れて惑星連邦軍戦艦・USSエンタープライズ号に乗り込み、さまざまなトラブルや冒険を経て成長する青春物語だ。今の時代だからこそ可能な迫力のVFXが魅力的で、宇宙空間の壮大な美しさには思わず興奮する。
人間描写は概ね浅いが、例外として、スポックの性格が深く掘り下げられているのは収穫。論理的な彼が感情をむき出しにする様子は、若さと共に彼の根底にある愛すべき人間性を感じさせ、非常に好感が持てた。時空を超える敵との強引な展開も、宇宙での大バトルの激しさと作品の勢いの良さで補っている。“長寿と繁栄を”のキメ台詞が嬉しい。
(渡まち子)
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