ストーン監督の社会批判精神はいったいどこへ?歴代最低支持率の大統領の映画がこんなにも凡庸なアプローチでいいのか。名門に生まれたジョージ・W・ブッシュは、偉大な父へのコンプレックスからアルコール依存症になり、信仰で覚醒した、いたって“フツーの人”でしたというお話だ。そんな物語の主人公なら、大儀なきイラク戦争や金融危機を招き、災害復興でさえモタつく世界一の大国のリーダーでなくてもいい。戯画化された側近の描写は笑えたが、石油確保の悪だくみなど、もはや周知の事実だ。存命の元大統領を描くならもう少し斬新な視点が必要で、準備不足で作るにはあまりに不適切な題材だった。ただ、ブッシュ家の柱だった強母バーバラの存在は興味深い。特殊メイクで本人に似せたジョシュ・ブローリンは好演。
(渡まち子)
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