問題児ならぬ問題犬に悪戦苦闘しつつ主人公が成長する、あたたかい物語だ。ラブラドール・レトリバーのマーリーは、家中をメチャメチャに荒らす困った犬だが、いつしかかけがえのない家族になっていく。やんちゃ犬・マーリーを飼うことを子育ての予行練習とすることは、案外奥深い方法だ。なぜなら、マーリーのしつけがうまくいかないことと同様に、子供を“飼いならす”ことなど無理だし、してはいけないことなのだから。なのに、マーリーが育児に与えたであろう影響はほとんど描写されないのが残念。動物好きの私としてはマーリー自身の心情を知りたいところだが、犬を擬人化しないことがこの作品のクレバーなところである。マーリーとの別れの場面は思わず涙した。
(渡まち子)
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