私は伊坂幸太郎原作の映画とはどうにも相性が悪い。それを差し引いても、この映画はいただけない。70年代に活動した売れないパンクバンド“逆鱗”の楽曲「FISH STORY」を軸に、4つの時代の事件がバラバラに描かれ最終的には一つにつながって、2012年の地球滅亡の危機を救うという壮大な物語だ。フィッシュストーリーとはホラ話の意味。そう思うと都合が良すぎる展開もよしとしなければならないが、表層的になぞっただけの魅力に乏しいキャラたちには、最後まで感情移入できなかった。約2時間の映画にするなら、ストーリーをもっと刈り込んで登場人物を整理し、せめてバンドのメンバーの人間描写くらいはしっかりやってほしい。伊坂幸太郎の作品は続々と映画化されるが、この人が作る物語は元来、映像よりも活字向きなのではあるまいか。
(渡まち子)
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