少ないセリフととぼけた“間”が味わい深いノルウェー映画だ。爆笑ではなくクスリと笑わせる演出は、同じ北欧のアキ・カウリスマキに通じるもの。鉄道一筋、きまじめなホルテンさんは定年退職の日に遅刻をしてしまう。人生初の事件をきっかけに彼の冒険が始まった。ヘンテコな登場人物が次々に現われるが、目隠しドライブが得意技の老人との出会いが特に秀逸。「人生は手遅ればかり。だが逆に考えれば何でも間に合う」のセリフには勇気付けられる。一見、癒し系だが、根底に死と孤独が漂う物語は非常にシビアなもの。ラスト、主人公に小さな幸せが訪れる予感が嬉しい。
(渡まち子)
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