乳がん早期発見を訴えるピンクリボン運動に関心を持つ人が増えればと願う作品だ。新しい命と残された時間。この物語が迫る決断の選択肢は、究極である。がん治療と出産の狭間で悩む外科医の滴は、夫に打ち明ければ子供を諦めることになると悟り、一人で生む決心をする。物語は、産婦人科医が滴の病気に気付かないなど、リアリティを欠く部分も。加えて、夫に内緒ですべて一人で決めたことには、異論も多いのでは。だが出産は、女性にとって自分の命を引き換えにする価値のあることだ。なぜなら命をつなぐ唯一の手段だから。松雪泰子のはかなげな表情が印象に残る。
(渡まち子)
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