月を訪れた米国の宇宙飛行士たちの証言と当時のニュース映像でつづるドキュメンタリー。冷凍保存していたというNASAの蔵出し映像が貴重だ。驚きなのは、月面着陸が失敗した場合に備えて、ニクソン大統領の声明が用意されていたこと。実際には成功したと知っていても「残念ながら失敗しました」と聞かされると妙に悲しくなる。それは栄光の裏側にある“失敗したアポロ計画”の犠牲者への追悼に聞こえるからだろうか。編集は全体的にメリハリが薄く、時に眠気を誘う。またNASA全面協力だけあって、米国の技術がいかに優れているかとのPRのようにも見えた。実際の宇宙開発は、旧ソ連との軍事力競争という側面が大きいのに、そのことにはほとんど触れないので、綺麗事のようにまとまっているのが残念。それでも幻想的な宇宙の映像を見ていると、今も月へのロマンをかきたてられるし、地球で生きている感謝を感じる。
(渡まち子)
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