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その土曜日、7時58分 - 渡まち子

緊迫感のある描写と役者の演技に圧倒(75点)

 ギリシャ悲劇を思わせる重厚なドラマだ。完全犯罪が崩されるサスペンスに見えるが、崩壊するのは犯罪ではなくある一家の絆。アンディと弟ハンクは共に金に困り両親が営む宝石店を襲う計画を立てる。誰も傷つかないはずの犯行はひとつの誤算から最悪の方向へ。硬派な作風のルメットらしい緊迫感のある描写と役者の演技に圧倒される。時間軸をずらして同じ場面を繰り返すスタイルも無駄がない。愛されないことが心にどす黒い憎しみを生むが、運命はどこまでも手厳しい。物語は悲痛だが、ずっしりとした手応えは満足感を得るものだ。邦題が分かりにくいのがあまりに惜しい。

渡まち子

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