作品は素朴で未熟。それでも優しい気持ちになれるのは、少女の愛らしい笑顔のおかげだ。ストリートで生きる孤児トゥイが、孤独な男女の恋を取り持つ物語である。子供たちのたくましさが印象的だが、ストーリー展開はご都合主義で穴が多い。夢見がちで明るく、それでいてたくましい少女の幸せは、大人とは別のところにある気がするのだが、結局は大人が考える子供の幸せに落ち着くのが残念だ。ベトナムと米国のハーフの監督は、安易に観光名所を映さず、ホーチミンの雑多な街の空気を巧みにすくい取っている。
(渡まち子)
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