◆おバカなバトルが深夜TVのノリそのままに展開する様は脱力必至だ(45点)
「TRICK」10周年記念の劇場版第三弾は、豪華ゲストによる超能力者が大集合して競い合うサバイバル・コミカル・ムービーだ。霊能力者“カミハエーリ”が代々統治する万練(マンネリ)村で、掟に従い後継者を決めるバトルロイヤルが開かれることに。大会に参加し、大金をせしめようと目論む貧乏な奇術師・山田奈緒子だったが、村の青年・翔平から、バカげた風習を止めさせてほしいと頼まれ、しぶしぶ村にやってきた物理学者の上田次郎とはちあわせてしまう。そんな中、カミハエーリを目指す、霊能力者による生死を賭けたバトルが始まった…。
おなじみのメンバーによるユルユルのギャグはファンにとっては懐かしくも楽しいイベントみたいなもの。どこか横溝正史を思わせる呪われた(?)村の因習にまつわる物語だが、意味深なようでいて意味のない奇声と共に、おバカなバトルが深夜TVのノリそのままに展開する様は脱力必至だ。最強の霊能力者・鈴木の悲しい過去や、万練村の秘密、村の若者・翔平と美代子の恋が、強引に結びつき、お決まりの“まるっとお見通しの解決”へとなだれ込む。奈緒子の母で書道家の里見が例によって登場するが、本作でも文字の力は健在。万練村のあちこちに立てられた看板や張り紙など、小ネタで押しまくる演出は、結局は文字の持つ力と通じているのだろうか。アホらしさの中に紛れ込む科学的根拠で切り抜ける炎のクライマックスは、劇場版とはいえあくまでも小規模で身の丈にあったもの。わざわざ映画館で見るものか? とも思うが、奈緒子がこよなく愛する時代劇「暴れん坊将軍」の出演が何よりのプレゼントかもしれない。しかし藤木直人はなぜに王子様ファッションなのだろうか?? 謎は深まる。
(渡まち子)
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