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僕らのワンダフルデイズ - 渡まち子

◆ちょっと遅れて始まった二度目の青春のようで微笑ましい(60点)

 平凡な中年男が末期ガンで自分の余命は半年と知る。こう聞けば、お涙頂戴ものを連想するが、しめっぽいところはほとんどない。青春時代の仲間と再結成したバンドでコンテストを目指す日々は、若い頃以上にワンダフルなのだ。主人公の藤岡徹は53歳のサラリーマン。胆石で入院したが、末期ガンであることを偶然に知ってしまう。残された日々で「家族に音(演奏)を残したい」と考えた徹は、学生時代のバンドのメンバーに声をかける。

 難病ものには違いないが、実はこの話にはちょっとしたヒネリがある。主人公が過剰に嘆き悲しむ様子に、ドン引きする家族という構図から、そのオチは簡単に予想がつくのだが、物語の本筋はそこではない。歳を重ね、日常に埋没していく中で、かつての夢や輝きを忘れた男たちが、コンテスト出場という目標に向かってまい進する。音楽に夢中で取り組む様は、ちょっと遅れて始まった二度目の青春のようで微笑ましい。メンバーが現在抱える問題も盛り込み、出来る範囲で助け合う場面は、現実を知る年代の人間同士のいたわりが感じられホロリとする。ただ、学生時代のメンバーで渡米した人物の顛末を描いていないことが少し気になった。盛り上がるのは、やはりコンテストのライブ演奏だが、その後に、娘の結婚式でもう一度披露する演奏もいい。竹中直人の演技のテンションも物語にほどよくマッチ。音楽アドバイザー・奥田民生による主題歌、劇中歌ともに、シンプルなメロディが耳に心地よく残る。

渡まち子

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