◆超ユルいテイストの謎解きミステリー(65点)
妄想と勘違いをベースに繰り広げられるマドンナ争奪戦は、超ユルいテイストの謎解きミステリーだ。個性豊かな若手俳優たちの怪演と、しようもない状況設定が笑いを誘う。クリスマス・イブの夜、茨城県の大洗に男たちが集まる。彼らは夏の間、一緒に大洗の海の家でバイトした仲間だが、皆、憧れのマドンナ・江里子からの手紙でこの場所に呼び出されていた。「イブの夜、海の家で会いたい」と書かれた同じ手紙を手に、互いにけん制しあう彼らは、自分こそ江里子の本命!と主張しあい、妄想系バトルはヒートアップしていく。
自信過剰のナルシスト、鮫オタク、おしゃべり好きの海の家のオーナーなど、5人の男たちは皆、クセ者ばかり。無いに等しい根拠でマドンナの愛を確信する自己アピールが最高に笑える。海の家の撤去を求めにきて、争いを収拾してくれるはずの弁護士までもが、会ったことのないマドンナに恋してしまい、6人目として参戦してくる意外性も楽しい。敏腕にして実はミーハーなこの弁護士が、男たちの主張の虚実を、事情聴取しながら看破していくのが、ストーリーの流れだ。回想場面はあるものの、基本的には会話劇で進む本作は、小劇場の舞台を見ているかのよう。山田孝之や小柳友ら、若手実力派俳優の壊れっぷりは一見の価値ありだが、長回しに耐える熱演にも感心する。遅れてやってきた7人目でついに勢揃いしたおバカな男たち。手紙の謎が明かされ、爆笑の中にもホロリとさせられ、うっかり感動していると、ヒョイと足元をすくわれる、その楽しさ。男って、くだらなくて、やんちゃで、可愛いと、いつのまにか思えるはずだ。妄想と暴走が錯綜するこの友情コメディ、バカバカしいのに何だか憎めない。
(渡まち子)
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