◆真の後継者は誰であるべきか(40点)
秋来たりなば「ソウ」遠からじ。今や季節行事的なムードが漂う人気シリーズ第6弾だ。2004年に誕生して以来、ソリッド・シチュエーション・ホラーというジャンルを決定付けたこのシリーズ、いいかげんに終わってくれよ…という願いを抱きつつ、完全にクセになっているファンも多いだろう。死のゲームを強要する殺人鬼ジグソウ亡き後、彼の遺志を継ぐ者が新たなゲームを仕掛ける。今回のターゲットは保険会社の社員たち。重病で高額の医療費支払いに苦しむ加入者を非情な態度で切り捨てる彼らは、強制的に死のゲームの参加者となる。一方、前作で生還したホフマン刑事への疑念を抱くエリクソンFBI捜査官は、真相を調べ始める。
生を軽んじる者に更正するチャンスを与えるという、ムチャクチャにして深淵なジグソウの精神は、彼が死んでも生き続ける。「ソウ」シリーズはとりあえず3で完結していたのだが、なぜか続いてしまい、本作は2つ目の三部作の最終章という位置付けだ。例によって、すさまじい残酷描写が炸裂するオープニングに絶句するが、今回は保険会社と医療制度を取り上げるなど、社会性が感じられる。一方で、ジグソウが元妻のジルに残した遺品の箱の中身が明らかに。ゲームを続けていたのはホフマン刑事であることは既に承知だが、真の後継者は誰であるべきかという謎に答えていく。このシリーズの最新作が出るたびに同じことを言っているが、元祖「ソウ」は本当に面白かった。だがその後の続編は、凝った残酷描写を競うような安易な内容でがっかりである。ただ、今回のストーリーには“選択”というキーワードが見えたことと、終盤で、思いがけない人間関係があらわになるのが見所。この大掛かりでややこしい装置をいったいいつ作ったのか? といういつもの疑問はさておき、シリーズのファンの楽しみのひとつである殺人マシーンの中では、回転木馬の仕掛けがビジュアル的に冴えていた。
(渡まち子)
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