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SOUL RED 松田優作 - 渡まち子

◆最初で最後の公式ドキュメンタリー映画(65点)

 11月6日は、40歳の若さでガンのため急逝した伝説の映画俳優・松田優作の命日だ。本作は、彼の出演作の映像と、彼を知る映画関係者、共演者、さらに龍平と翔太の二人の息子のインタビューなどでつづる、最初で最後の公式ドキュメンタリー映画とされている。1949年生まれの松田優作は、TVドラマ「太陽にほえろ!」でスターの仲間入りを果たす。多くの名監督との仕事で秀作・話題作に出演しながら、映画のみのならずTVドラマや音楽活動、監督業でも才能を発揮した。熱い魂を持った一人の俳優の、演技への情熱を浮き彫りにする。

 あまりに早すぎたその死ゆえに伝説となった松田優作だが、改めて彼の出演作をたどってみると、幅広い役柄で違った顔を見せながらも、常に“松田優作”その人であり続けたのだと分かる。映画に対するこだわりはハンパではなく、周囲は時に圧倒されたようだが、彼にひきずられるように70年代から80年代の名作が生まれているのが興味深い。この人を語るとき、初期のハードボイルド映画群がすぐに思い浮かぶが、個人的には、鈴木清純監督の「陽炎座」の優雅な狂気を感じさせる演技が印象深い。貴重なのは、ハリウッド・デビューとなる映画「ブラック・レイン」のオーディションの映像。アンディ・ガルシアが、その時米国では無名の松田優作を、高く評価するコメントを出しているのは、多少のリップサービスもあったにせよ、真摯なものに聞こえた。日本の枠だけに収まらないスケールを持った俳優だったのだと改めて思う。映画の総合プロデューサーは妻の松田美由紀だが、この人のインタビューがないのが残念。家庭人としての松田優作を知る彼女の声を聞きたかった。

渡まち子

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