◆脚本には大いに難があると言わざるを得ない(50点)
邪悪な子供が主人公というと「オーメン」のようなホラー映画を想像するが、本作はむしろ異色の心理サスペンス。赤ん坊を死産で亡くしたケイトとジョンの夫妻は、心の空白を埋めるため、孤児院から養子を迎える。だが、その少女エスターが家に来た日から次々に奇妙な出来事が起こり始める。気のせいだと取り合わない夫ジョンとは裏腹に、エスターに不気味な気配を感じたケイトは、家族の身の危険を訴えるが、周囲は信じてくれなかった。
エスターは、最初は、風変わりだがどこかロマンチックな雰囲気の子供だ。だが妙に大人びたその言動がやがて狂気へと変わる様子にただならぬ気配が感じられ、歯の治療を拒み、いつも首と手首にリボンを巻いているこの子はいったい何者かと興味をそそられる。子供なのに、異様にズル賢く知識があり、嫉妬深い。それには “経験”に基づいたある理由があるのだが、終盤に明かされる彼女の驚愕の秘密はまさに「!!」で、私は思わず試写室の椅子から転げ落ちそうになった。いくらなんでもそれはないと言いたくなるが、エスターを演じる子役イザベル・ファーマンのすさまじい形相で強引に納得してしまう。とは言え、そもそも子供が二人もいるのに養子を取るという設定には疑問があるし、孤児院の書類の不備も考えにくい。脚本には大いに難があると言わざるを得ない。この映画の原題「Orphan」とは孤児という意味だが“非常にまれな”という意味も。オカルトや超能力とは無縁のキワモノ寄りの作品なのだが、一種の難病ものにして “母は強し”の物語。人はみかけによらないという言葉の意味を、改めてかみしめた。見終わったら一緒に見た人と大いにツッコミを入れて楽しもう。




























